今回は一田和樹氏著の「サイバーセキュリティ読本」(原書房)をご紹介します。





この本は、現代におけるサイバー空間における数々の脅威を読みやすい、ある出版社「篠山兄弟社」を舞台にした物語仕立てで説明しています。身近なものから世界を揺るがすマルウェアまで、くまなく網羅した、サイバーセキュリティの「今ある危険」を知るための入門本です。

とても読みやすい本ですが、かなり読者を選ぶところがありますので、注意が必要です。

なぜかと言えば、物語に登場するキャラクターが「濃く」、過激な描写があるからです。章題からして、「スマートフォンは穴のあいた財布」、「フェイスブックやツイッターは個人情報拡散装置。自爆テロ」などの直接的な表現があるほか、登場人物間の会話の中で殺すだの、死ねなどのネガティブ表現が当たり前のようにでてきます。

そのあたりに嫌悪感のある方にはこの本はおすすめできません。まるで2ちゃんねるのようなノリです。しかし、内容はいたって現実的かつきちんとした情報源や根拠をもって丁寧に解説されており、決して表面のノリから見えるようなふざけた本ではありませし、オカルトの類いの本でもありません。

特に、さきほど章題を紹介したスマートフォンやSNSについてふたつ章を割いて、手厚く解説されています。現在これらは若者を中心にあたりまえのように社会に普及していますが、その実サイバーセキュリティ上非常に危険なものであることは疑いがありません。

しかし、その便利さに隠れて大きな脅威が潜んでいます。それを陽のもとにさらし、警鐘を鳴らすことが必要になっていますが、それを行うためにあえて過激な論調で記述したと私は考えています。

普段スマートフォンやSNSを使っていて、セキュリティには興味が無い人に読んでもらいたい、読みやすさと正しさを両立させた良本であると私は思います。

サイバーセキュリティ読本

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